2026年9月10日、千葉県流山市の暁星国際流山小学校で、「交流教室デフリンピアンがやってきた!」デフサッカー編を開催しました。
昨年、日本で初めて開催されたデフリンピック。デフ(Deaf)とは、英語で「耳が聞こえない」という意味です。デフリンピックは聴覚に障害がある人のためのオリンピックです。

ゲストには、東京2025デフリンピックで銀メダルを獲得した、阿部 菜摘選手、岡田 拓也選手、岡田 侑也選手、國島 佳純選手をお招きしました。また、手話通訳士の方にもサポートいただきました。

選手4人の集合写真

講演には、4年生から6年生までの児童が参加しました。選手たちは、デフリンピックやデフサッカーについて、そして手話についても分かりやすく紹介してくれました。

デフサッカーは、基本的には通常のサッカーと同じルールで行われます。異なる点は、主審が笛に加えてフラッグを使用することです。選手たちは試合中、補聴器を外すことが義務付けられているため、笛の音が聞こえなかったり聞こえにくかったりします。そのため、選手同士はアイコンタクトや手話を用いてコミュニケーションを取っています。

児童たちは、声をつかわずに行う伝言ゲームや、視界に入りづらいところで出されるフラッグの合図に気づくゲームに挑戦しました。

「伝言ゲームで『プリン』を伝えるとき、伝え方って色々ある。手のひらに文字を書いたっていい。手話だけが正解じゃないです。いろんな人がいて、いろんな伝え方があるっていうところを考えてみてほしいです」と選手達からのアドバイス。
聞こえない人の立場に立ち、音に頼らずに意思を伝えるためにはどうしたらよいのか。児童たちは体験を楽しみながら、自分自身で考え、多くの気づきを得ていました。

そしていよいよデフサッカーの試合を体験!声を出さないサッカーにチャレンジしました。
児童たちが10人ほどのチームにわかれて、選手4人対児童チームの試合です。
デフリンピアンに挑む児童たち。周りの児童たちも、覚えたばかりの「サインエール(手話を元にして作られた応援の方法)」で応援しました。
※サインエールは こちらから動画でご覧いただけます。(このサイトを離れます)

選手への質問コーナー

交流教室では、選手への質問コーナーもありました。
児童「耳が聞こえにくい中で、どんなユニバーサルデザインが役に立ちますか?」
侑也選手「役に立っているのは、字幕。たとえば電車で事故が起こったらすぐに『振替輸送のお知らせ』が表示されるのは我々としてはすごく助かります。ほかにも、目覚まし時計だと、音が聞こえないので、振動するタイプとか。聴覚障害のある人の役に立っています」

児童「デフサッカーの試合中に、仲間に声を使わずにコミュニケーションをしたときに相手に内容がばれたりしないんですか?」
國島選手「自分たちは事前に、『この動きをするときはこの合図』のような独自の合図の作戦をつくって試合に出ているので実はあまりばれないんですよ」
阿部選手「手話は、日本だけの手話と、海外の手話、国際手話は全く違います。なので国際大会に出たときは相手のチーム同士では手話がわからないのでばれないですね」

児童「手話ってどれくらいの時間で学んだのですか?」
阿部選手「私の場合は、生まれつき耳が聞こえないので小さい時からろう学校に通っていたので自然と手話が身につきました。みなさんが、音声の日本語を学んで習得するわけではなくて自然に身につくのと同じですね。侑也選手と拓也選手は、耳の聞こえる学校に通っていたので、手話は自然には身につけていなくて、大学生以降、デフサッカーの世界に入ってから学んでいると思います。人によって聞こえ方や環境が違うため、聴覚障害のある人が全員、手話を使えるというわけでもありません。そういったことも知っていただければと思います」

最後に、拓也選手が児童たちへメッセージを送りました。
「みなさんも将来への夢や目標があると思います。これから長い人生を歩む中で、耳の聞こえない人、身体に障害のある人、いろんな障害を持った人に出会うことが必ずあると思います。その人たちと一緒に仕事をする。遊びに行く。そんなときにどうやってコミュニケーションをとるのか?考えながら、寄り添ってほしいと思います。そしてそれは、障害のある人、障害のない人に関係なく、どんな人にもそんなふうに寄り添ってほしいです。」

先生たちがこの交流教室を通して児童たちに伝えたかったことも、「障害がある人はかわいそう」ということではありません。障害の有無にかかわらず、一人ひとりが等しく、大切な存在であること。日本代表として世界で活躍する選手たちも、社会の仕組みや周りの人の支えと関わりながら今があること。そして、共生社会を目指す中で、自分たちには何が出来るのかを考えてほしいということです。
選手や先生たちからの思いに、児童たちはしっかりとうなずきながら耳を傾けていました。
今回の交流教室は、そんな大切な気づきを児童たちにも私たちにももたらしてくれた貴重な機会となりました。

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