京都市の「セカンドハーベスト京都」は、福祉施設や生活困窮者に食料を届けているグループです。 第29回「わかば基金」の支援を受けて、車専用の冷凍冷蔵ボックスや米用冷蔵庫などを購入しました。グループの皆さんは、「たくさんの食料を、品質を落とさずに保管できるようになりました。おいしいままの食料をもっと届けていきたい」と期待を膨らませます。

食料をつなげる活動

 「セカンドハーベスト京都」が取り組んでいるのは、フードバンクと呼ばれるものです。フードバンクとは、問題なく食べられるのに廃棄処分されてしまう食料=「食品ロス」を減らし、食料に困っている人々に提供する活動です。約50年前にアメリカで始まりました。 日本で1年間に出る「食品ロス」の量は約621万トンとも言われ、東京ドーム5個分の食料が食べられずに捨てられてしまうそうです。こうした「食品ロス」を減らすため、日本では十数年前から取り組みが広がり始めています。

sawada 「セカンドハーベスト京都」が活動を始めたのは2015年。代表の澤田政明さんがテレビでフードバンクを知ったことでした。澤田さんは以前、食品関係の事業を展開していたこともあって、食料を活かす取り組みに魅入られたといいます。
 「食べられるのに廃棄してしまうのはもったいないじゃないですか。食品をつなぐ活動はおもしろそう。フードバンクには可能性があると感じたんです」。
 そして関西でフードバンク活動をしているグループに参加し、2015年、「セカンドハーベスト京都」を立ち上げました。

すべて寄付で運営

 「セカンドハーベスト京都」が提供している食料は、すべて個人や自治体、大手企業などからの寄付です。運営資金もすべて寄付で、そのほとんどは倉庫代やガソリン代などで消えてしまいます。澤田さんはじめ活動に携わる人々はすべてボランティア。活動を広げたくても資金面での余裕がありませんでした。 そこで、わかば基金に申請し、車専用の冷凍冷蔵ボックスや米用冷蔵庫、荷物運搬のためのハンドトラックやカーゴ台車を購入しました。澤田さんは、「食品の保管や運搬にかかる労力が3分の1に減りました。食料の品質も落とさずに保管できるようになったので、おいしいまま届けられます」と笑顔で話してくださいました。冷蔵庫&ハンドトラック

食料でつながる支援の輪

 「セカンドハーベスト京都」が食料を提供しているのは、子どもが暮らす福祉施設や生活困窮者支援団体が中心です。その1つ、京都市内にある母子生活支援施設「野菊荘」では、病気や障害などで働けなかったり、DVから逃れてきたなどで生活が困難なシングルマザーの31世帯78人が暮らしています。どの家庭も厳しい経済事情のため、食料の提供は利用者の皆さんからとても喜ばれています。特に果物は子どもたちが大喜びするそうです。

 野菊荘では、提供してもらった食料を施設で暮らす人だけでなく、地域で生活する、相談やサポートを必要とするひとり親世帯の方々にも分けています。そうすることで、これまで見えなかった地域の課題や困りごとを持つ人や家庭につながれたと施設長の芹澤出さんはいいます。
 「『苦しい人を助けます』と言っても、手を挙げる人はいないです。でも『食べ物があるのでどうぞ』と言うと、来てくれる人が多い。話を聞くと、生活が苦しい人がたくさんいました」。
 地域には生活が苦しくても声をあげられない一人親世帯や生活困窮世帯が多くあったそうですが、いまでは相談援助や生活支援、子どもの学習支援などにつながっているそうです。

活動の源は多くの人の喜ぶ顔

 京都府では年間130,000~170,000トンの食品ロスが出ています。その中でセカンドハーベスト京都に寄付される食料は10~15トンとほんのわずか。せめて100トンくらいの食料は届けたいという澤田さんですが、世間でのフードバンクの認知度はまだまだ低く、険しい道のりだと感じています。 澤田さんは、「就学援助を受けている世帯など、一見普通に暮らしているようでも、生活がぎりぎりの人はたくさんいます。そのような人たちにも食料を届けたい。私たちの活動の源は、皆さんが喜んでくださることです。もっとたくさんの人に笑顔になってもらいたい。そのためにも、組織の足腰をしっかりさせ、フードバンクの意義を広く知られるよう頑張っていきます」と力強く話されました。
(2017年10月31日記)

 「セカンドハーベスト京都」は、第29回(2017年度)支援金部門の支援グループです。活動の柱はフードバンク事業のほかに、子ども食堂の支援もあります。詳しい活動内容や連絡先は、「セカンドハーベスト京都」のホームページをご覧ください。