10月15日(日)熊本市の尚絅学園で行われたNHK公開復興サポートin熊本の中で、

NHKハートフォーラム「熊本から訴える!障害者の命を守るため いまできること」を

開催しました。

熊本地震を体験した障害のある人たちの切実な声を伝えるとともに、ボランティアや専門家も交え、これから命を守るためにどうしたらいいかを考えました。

当日は雨の中、熊本県内各地から、のべ103人の熱心な方々が集まりました。

第1部:私たちは言いたい!熊本地震の体験・いま願うこと

午前10時30分、まずは、益城町テクノ仮設団地に住む脳性まひの橋村ももかさんと、母親のりかさんから、熊本地震後の体験談を聴くことからスタート。
「車いす生活の私たちは、ずっと地元の人たちの中で生きてきたんです。だから避難所を転々としても、地域の人たちが助けてくれて孤独感がなかった。特別な福祉仮設団地を勧められても、いまの所に住んでいたい。」「これからは誰もが住みやすい仮設住宅を標準にしてほしい」と訴えました。

 続いて、熊本県発達障害当事者会Little bit共同代表理事の須藤雫さんが、発達協働センターよりみち相談支援専門員の山田裕一さんとの対談の形で、地震の後の経験を、言葉を紡ぐように語りました。避難所で過ごせない発達障害の仲間たちに、自分の部屋をシェルターとして開放し、10畳ほどの部屋に5人で暮らしたことについて、
「安心できる場ができてよかった。それぞれの好みや生活パターンはあるけれど、あの時は、一人が寝ると、ほかのみんなもつられるように寝て、一人が食事すると食事を始めるような感じでした」
「障害は一人一人違うので、『合理的配慮』でなく、『オーダーメイドの配慮』ができるようになって欲しい」と提言しました。

被災地障害者センターくまもと事務局長東俊裕さんと、同志社大学教授立木茂雄さんを交えた、パネルディスカッションも行いました。
東さんは、「いままで障害者の団体は行政に対していろいろ言ってきたが、もっと地元の人たちに訴えないといけない」「全く支援を受けていない障害者が多い。地域の防災意識の中に障害者のことをしっかりと組み入れるよう声をあげよう」と厳しくも力強い意見をぶつけました。

立木さんは、東日本大震災の際の詳細なデータや、楽しいイラスト付きの資料を効果的に見せながら「東日本大震災では、福祉先進地で在宅介護がすすんでいた宮城県で、障害者の死亡率が高かった。防災と福祉がつながっていない。タコつぼの組織が多い中で、ケアプランを立てるような福祉の人間が防災の計画を立てる必要がある。実際に別府では、福祉の人が周囲を巻き込んで変わってきている」と具体的な方向性を示してくれました。

会場には、益城町に住む視覚障害のある50代の女性と80代の母親など、何か聴きたい、つながりたい、話を聞いて欲しいという皆さんが集まり、悩みを語り合いました。そして、これからも積極的に声をあげ、普段から、障害者だけでなく誰もが生きやすい暮らしができるよう、地域のつながりを作り、制度を見直し、個別の防災計画を立てる必要を共有しました。
「ぜひ今日の話を、地元で、話して、伝えてください」と、コーディネーターを務めたヒューマンネットワーク熊本の吉村千恵さんは呼びかけました。

12時からは、今回参加した
・被災地障害者センターくまもと、
・熊本県発達障害当事者会Little bit、
・熊本学園大学
の活動の紹介タイム。 

最後は南阿蘇村の栃原大地さん、明日香さん、お子さんが生演奏を披露。
震災体験をもとにした歌「大きなその愛で」は、会場の皆さんの心に沁みました。

第2部:非常食クッキング&避難計画書作り

午後1時からは東京・代官山で教室を開く料理家の山脇りこさんが、食材や器材が不十分な災害時でも、明るく健康的な食事ができるようクッキング講座を開きました。
非常用のアルファ米に、思い切ってドライフルーツを入れるなど、少しの工夫でマンネリを解消できるアイデアをいくつも紹介しました。
そして、カセットコンロで油を使わずにできる
・サバ缶とトマト缶のカレー
・ひじきとコーン缶のカレー
を紹介!さらに火を使わずにポリ袋でできる副菜や覚えておくと便利な乾物うまみだしなども!

詳しいレシピはこちらからご覧いただけます。

48人の方々が一緒に来た友人や、たまたま同席した人と協力して作り、出来上がったものはその場でいただきました。「こんなに簡単なら、さっそく家でも作ってみたい」「親にも教えたい」「常備の材料で本格的な料理ができてすごく勉強になりました」と大好評。「長崎出身で、熊本のために何かしたかったので、うれしかった」と山崎さん。尚絅大学短期大学部食物栄養学科の皆さんに全面的に協力していただきました。

午後2時半からは緊急時の連絡先や、避難時に配慮してほしいことなどをまとめた避難計画書を作成。
吉村千惠さんが指導し、尚絅ボランティアセンターの学生たちがサポートしました。
「一番の緊急連絡先は、遠い親戚よりも、すぐにかけつけてくれる友人や支援者です。しかし、その第一連絡先が埋まる人は意外と少ないんです」という吉村さん。
参加した33人はそれぞれ暮らしの状況を共有しながら、和気あいあいとした空気でシートを埋めていきました。吉村さんは「すべてを埋められなくても、今日気づいたことを地域でつながりをつくるきっかけにしてほしい」とまとめました。

出来上がったものはラミネート加工し、車いすの背部やカバンの中などに入れ、緊急時にすぐ取り出せる形で持ち帰りました。

吉村さん作成の災害時「個別避難計画」と使い方はこちら

外の出店コーナーには熊本県発達障害当事者会Little bitの皆さんが手作りの小物を展示しながら、活動を紹介するコーナーや、障害者就労継続支援A型の食堂「彩ごぜんJIAN」の唐あげやフレンチトーストを販売するコーナーも。

多くの人に熊本県内の障害者の取り組みを知ってもらいました。

最後には、今回かかわったみなさんで大交流会。
せっかく生まれたつながりをこれからもいかしていきたいと感じました。