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活動リポート

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2011年3月19日

ハートフォーラム「発達障害」を岡山で開きました

発達障害のある子たちが、充実した学校生活を送るために学校や家庭ではどのような支援ができるかを考える、NHKハートフォーラム「発達障害 先生や友だちに理解してもらおう---ともに学び、育つために---」を3月19日、岡山市の岡山県総合福祉会館で開きました。

写真:

第1部 講演「通常学級における理解と支援」

第一部は、鳥取大学教授で、同大学附属小学校の校長も務める小枝 達也さんが、「通常学級における理解と支援---教師ができること、親ができること」をテーマに講演しました。

教師ができること

教師ができることとしては、「目で見て分かりやすい工夫をする」ことや、「ルールを明確化する」ことなど、どの子にも分かりやすくすることが、発達障害の子どもの指導にも役立つといいます。
また、指導の工夫の一例として、音読が困難な子どもに対する指導法について紹介しました。
繰り返し音読させることはせず、まず、ひっかかる単語をチェックし、その言葉の意味を理解させ、例文を作らせるなどの指導を行います。そういった指導を数回繰り返した後に音読をさせると、読む時間が3分の2くらいに短縮されたそうです。

親ができること

親だからこそできることも多々あります。「丁寧なガイド」や「温かく見守ること」や「学習の習慣をつけること」などが挙げられますが、その一つとして、「本人への告知」があります。そのタイミングなどは本人の状況や環境によって、さまざまですが、自分を理解するということは、

  • 子ども自身が「自分の特性」を知ること
  • その特性は、「決して悪いことではない」と理解すること
  • その特性には、「手助けが必要である」と認識すること
  • 手助けがあれば、「何とかなる」ことを経験すること
  • 自分自身を「手助けする方法」を身につけること

ということにつながるといいます。

第2部 体験紹介「本人にどう伝え、周りにどう働きかけたか」

第二部は発達障害のあるお子さんをもつ保護者の方が2人登壇。お子さんに障害についてどのように伝えているか、また、学校にはどのように伝え、働きかけてきたかなどを実体験を紹介しました。

本人に障害を伝えた方、なかなかタイミングが合わずに伝えていない方とそれぞれですが、共通しているのは、本人のためを思ってのこと。
担任の先生の障害に対する理解に合わせて言い方を変えたり、お子さんを理解してもらうためのプリントをクラスに配ったりとそれぞれ工夫を凝らしながら、働きかけを行っていることが紹介されました。


番組のお知らせ

「発達障害啓発週間」(4月2日〜8日)に合わせて、NHKでは発達障害に関する番組を放送します。

  • 番組名:福祉ネットワーク「シリーズ大人の発達障害」
  • 放送日:2011年4月4日(月曜日)〜7日(木曜日)教育テレビ午後8時から8時29分
  • 内容:4月2日は、国連の定める「自閉症啓発デー」。そして4月2日から8日は、日本の「発達障害啓発週間」にあたります。NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」では、近年新たな課題として浮かび上がってきた「大人の発達障害」について、世界的にもよく知られた発達障害者であるテンプル・グランディンさん(コロラド州立大学准教授)の半生を紹介するほか、当事者・支援者双方の置かれている現状と取り組みについて、4回シリーズで放送します。

詳しくは番組ホームページをご確認ください。   

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