NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

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活動リポート

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2016年4月28日

ハートカフェ「明日はわが身? 介護離職しないために」を開催しました

お茶を片手にさまざまな福祉について学ぶ「ハートカフェ@渋谷」。 2016年4月は「明日はわが身? 介護離職しないために」をテーマに開催しました。

第1回(4月14日)離職しない介護、できますか?〜その実践と対策〜

講師:川内 潤さん (NPO法人 となりのかいご 代表理事)
町 亞聖さん (フリーアナウンサー)

初回は、親の介護を控える4、50代の会社員を中心に36人が集まりました。
川内さんの講演が始まると、介護スタッフの留守番電話にたまたま録音されていたという虐待現場の音声が流され、会場は張りつめた雰囲気に。
川内さんは「これは別世界の話ではありません。家族介護に一生懸命取り組む人ほど、ストレスがたまり、親を虐待してしまうような悲しい未来が待っていることもあります」と、介護問題を抱えこむ危険性を語りました。
親子共に幸せになれる介護のコツは「介護はプロに任せて、家族は愛情を」とし、「たとえ、けなしあいでも、健康だったころと同じ関係性が続くことが、本人にとって救われる」と話しました。

後半はフリーアナウンサーの町 亞聖さんが登場。母親の広美さんの介護が始まった、18歳当時の家族写真を見せ、一人一人紹介しながら体験を明るく話しました。
離職をしないために必要なのは「考え方を柔軟に転換すること」という町さん。
「介護は自分がやるべき」と固定概念を持たず、親の立場に立つと、子どもに迷惑をかけたくない、昔とはちがう自分の姿を見せるのが苦痛…など違った視点も見えてきます。
感情のこもったお話に、参加した方も深くうなずき、共感しながら聞いている様子でした。

第2回(4月21日)広がる企業の取り組み〜あなたの会社でも可能?〜

講師:井手 聡太郎さん (株式会社ウィッティー 代表取締役)
塩入 徹弥さん (株式会社 大成建設 人材いきいき推進室長)

2回目は介護離職防止のため、企業ができることを紹介。企業の人事担当者を中心に22人が集まりました。
中小企業を対象にコンサルティングを行う井手さんは、介護離職の背景に、介護を援助する社内体制の周知不足があるといいます。まずはアンケートを使って現状を把握し、社内セミナーなどで不足を補うことが有効だと話しました。
後半は、ワークライフバランスを見直すなかで、介護に関する支援を進めてきた大成建設人事部の塩入さんが取り組みを紹介。
大成建設では社員の「介護中は午後だけ出社など、柔軟な働き方がしたい」というニーズに応え、介護休暇をこま切れで利用できるようにしました。さらに期間を法定の2倍近く認め、介護の平均的な期間である4〜5年は、必要なだけ休暇のとれる体制が整ったそうです。
また「わざわざ言う程でもないのでは…」と思いがちな法定通りの内容も、実際は社員に知られていないことが多く、しっかりとアピールすることが大切だと訴えました。
講演が終わると、会場に集まった人事担当者の方から積極的に質問があがりました。
「社内セミナーを、短時間勤務者と普通の社員が共に受講してもらうためにどうすればよいか」という疑問には、塩入さんが「我々は今まで動画の配信などを行ってきたが、やはり直接聞いてもらうのが一番効果を得られると実感しており、今後は休日の開催を検討している」と現状の取り組みを紹介しました。

第3回(4月28日)みんなで話そう、明日から始める介護

講師:牧野 史子さん(NPO法人 介護者サポートネットワークセンター アラジン 理事長)
岸本 今日子さん(仮名・アラジン利用者)
雪渕 雄一さん (雪渕行政書士事務所)

最終回となる3回目は、親の介護中、または介護を控えた13人が参加。
前半は介護離職の経験を持つ2人の講師が、自身の体験を踏まえたアドバイスをしました。
現在も続く実母の介護を赤裸々に語り、「介護離職は絶対にしないでほしい」と訴えるのは、介護者の孤立防止に取り組むNPO法人「アラジン」利用者の岸本さん。
「収入の確保はもちろん、仕事によって社会との繋がりや、大変な介護のことを忘れる時間を持つことにも大きな意味がある」と語りました。
雪渕さんは過去に両親の同時介護を経験。現在は行政書士となり、当事者目線で介護や終活の相談に乗っています。「想像以上の忍耐が必要だった」という自身の体験を踏まえ、介護の方針や財産管理について、あらかじめ話し合うべき重要なポイントを伝えました。
後半は全体が3グループに分かれ、アラジンのスタッフや雪渕さんを司会に、介護未経験の方や、介護離職を経験した方などが、それぞれ現在の状況や悩みを話し合いました。
その中で多かったのは「どうやって親に介護の話題を出せばよいか分からない」という悩み。それに対し「アラジン」代表の牧野さんは、
「3、40代から始める終活もある。エンディングノートの作成など、まずは子世代が『自分ごと』として考えた上で、親に勧める形で話してみては」とアドバイスしました。
また続けて、「介護者自身がストレスに押しつぶされないよう、地域のサポートや介護者の集まりを使いながら、困った時に頼れる人や場所を持ってほしい」と訴えました。
会が終わった後も、グループごとに参加者同士の交流が生まれ、賑やかな最終回となりました。



全3回を通し、アンケートには
■(第1回)「私の一人暮らしの母はアルツハイマーと診断され、母一人、子一人なので、大変不安でしたが、川内さん・町さんの力強い講演で勇気づけられました。今日学んだことを周りに発信しながら、うまく母と生きていけるよう頑張ります。」(40代 会社員)
■(第2回)「社内の介護セミナー企画者ですが、まだまだいろいろな方策があると感じられました。」(60代 会社員)
■(第3回)「参加者の皆さんのプライベートなお話が聞け、ありがたかった。」(40代 行政関係)
といった声が寄せられました。
 

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