$now_category = "";

NHK厚生文化事業団は、NHKの放送と一体となって、誰もが暮らしやすい社会をめざして活動する社会福祉法人です

NHK厚生文化事業団


現在位置:ホーム > このページ


活動リポート

2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年  

2013年3月 3日

「東日本大震災と福祉現場」についてのフォーラムを名古屋市で開催しました。

2013年3月3日(日曜日)、名古屋市の鯱城ホールで、NHKハートフォーラム「東日本大震災 そのとき福祉現場は 〜被災経験から何を学ぶか〜」を開催しました。

震災から2年たちますが、被災地では過酷な状況が続いています。とりわけ障害のある人々や高齢者にとっては、ますます厳しい環境になっています。
フォーラムでは、被災地で障害のある人々の支援者や高齢者施設で働く人々の体験、また震災直後から被災地に支援に入った障害のある当事者の体験報告をもとに、「災害があっても、障害があっても、誰もが安心して暮らすための手がかり」について議論を重ね、今後の災害に役立てられる方法を話し合いました。

出演は、岩手県大船渡市で高齢者施設を運営する内出 幸美さん(社会福祉法人典人会専務理事)、福島県南相馬市で障害のある人のデイサービス施設を運営している青田 由幸さん(さぽーとセンターぴあ代表理事)、名古屋市で障害者の自立生活を進め、災害直後から被災地の支援にあたった障害当事者の山田 昭義さん(社会福祉法人AJU自立の家専務理事)と菅沼良平さん(社会福祉法人AJU自立の家わだちコンピュータハウス)、福祉防災学を専門とする立木 茂雄さん(同志社大学教授)、内閣官房震災ボランティア連携室室長として被災地支援にあたっていた湯浅 誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)。司会はTV番組「福祉ネットワーク」(Eテレ)で震災直後から被災地の状況を伝え続けた町永 俊雄さんが務めました。

出演者のプロフィールはこちらをご覧ください。


地域住民との「つながり」が鍵

震災直後から被災地に物資を届けた菅沼さんは簡易間仕切りの必要性を訴えました。避難所では障害のある人がトイレに行かれずに困っていることが多くありました。また女性が着替えたり、授乳できるような個室がないところが多くありました。間仕切りで個室を作りプライベートな空間を確保したことで、障害のある人だけでなく誰からも喜ばれたということです。 障害のある人々の支援に入った菅沼さんですが、「避難所にいる人はみんな要援護者であり、支援が必要であると実感した」と話しました。

内出さんは、周囲の人々に認知症であることを知らせていた人と周囲に認知症であることを隠していた人の事例を紹介。「知らせていた人は民生委員が助けにきて避難できたのですが、その一方で隠していた人は誰も助けにくることができず津波の被害に遭ってしまった」と話し、いかに地域住民とのネットワークが大切かを訴えました。 内出さんの話を受けて湯浅さんが「“備え”とは備品をそろえるだけでなく、地域の人々との顔なじみの関係を築き上げることも備えになる」と話しました。


出演者

内出 幸美  うちで ゆきみ (社会福祉法人 典人会専務理事)

岩手県大船渡市生まれ。1994年に認知症専門デイサービスを立ち上げ、その後、グループホームや特別養護老人ホームなどを運営。東日本大震災時は津波によりデイサービス施設が全壊したが、迅速な避難により犠牲者はなかった。災害時の緊急介護派遣チームの創設に向けて活動をしている。

山田 昭義 やまだ あきよし  (社会福祉法人AJU自立の家専務理事)

15歳のときに頚椎を損傷、四肢まひとなる。1990年、「楽しくなければ福祉じゃない!」を合言葉にAJU自立の家を設立。2000年の東海豪雨災害をきっかけに障害者自身による障害者の災害対策に力を入れる。東日本大震災では直後から避難所間仕切りなどの支援物資を送った。

菅沼 良平 すがぬま りょうへい  (社会福祉法人AJU自立の家わだちコンピュータハウス)

被災直後から、東北の障害のある人々に支援物資を届けた障害当事者。

青田 由幸 あおた よしゆき (NPO法人さぽーとセンターぴあ代表理事)

1954年福島県南相馬市生まれ。2008年「NPO法人さぽーとセンターぴあ」を立ち上げ、「断らない」を合言葉に障害者の生活介護、就労支援事業に取り組む。東日本大震災では原発事故後に避難出来なかった障害者の支援や調査を行った。

立木 茂雄  たつき しげお (同志社大学社会学部教授)

1955年兵庫県生まれ。専門は福祉防災学。阪神・淡路大震災後の被災者復興支援会議メンバーとして生活復興に向けた施策の提言活動を行う。東日本大震災後には、災害時要援護者への対応策を提言。著書に『市民による防災まちづくり』(共著)、他。

湯浅 誠 ゆあさ まこと
(反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事)

1969年東京都生まれ。95年よりホームレス支援、2008年「年越し派遣村」村長など、貧困問題に取り組む。著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』で大佛次郎論壇賞を受賞。東日本大震災では、内閣官房震災ボランティア連携室室長として被災地支援にあたった。

ページ冒頭に戻る


主催

NHK名古屋放送局、NHK厚生文化事業団

共催

名古屋市発達障害者支援センターりんくす名古屋

後援

愛知県、社会福祉法人愛知県社会福祉協議会、社会福祉法人AJU自立の家、NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)、日本障害フォーラム(JDF)

 

活動リポート目次