会社や学校帰りにお茶を飲みながら、現代社会が抱える様々な福祉の問題について考えてみませんか?

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“福祉のすきま”を仕事にする(2)

「風俗嬢」のセカンドキャリアを支援する

講師:角間 惇一郞さん 一般社団法人GrowAsPeople 代表

「風俗嬢」と呼ばれる人は全国に30万人〜40万人いると言われています。この職業に就く人たちが抱えている問題にはこれまでほとんど光が当てられることはありませんでした。「人には知られたくない」職業柄、「トラブルに巻き込まれても相談しにくい」「なかなかやめづらい」ケースも多く、そのため公的な支援が届きにくい状態にあるといいます。また軽度の障害がある人が働くことを余儀なくされるケースも報道されています。
なかでも角間さんが問題だと考えたのは「風俗業を辞めて別の仕事に就こうとしたとき」のことです。履歴書では空白の期間にせざるを得ず、けっきょく元の仕事に戻ってきてしまう人も多いと言います。
そんな状況に角間さんは、一般社団法人「GrowAsPeople」を立ち上げ、「風俗嬢」に次の仕事へつなげる支援を始めました。これまでスポットを当てられなかった人々への支援について、角間さんに聞き、考えます。

開催の報告

角間さんによる、「風俗嬢」として働く女性は、推定で33万人いるそうです。でも、一生続けられる訳ではなく、体力的にも年齢的にも限界となる「40歳の壁」があるそうです。壁に突き当たり、新たな職業に就こうとしても、年齢的なことや他の職業キャリアを積んできたわけでもないため、難しいのが実情だといいます。
そこで角間さんは、いま働いている人々が仕事を辞めた後でも、生活に困らないように次の職業につけるような支援をしています。

角間さんは言います。「『風俗嬢』のその後の生活をどうするかという視点で手を差し伸べてきた活動は、ほとんどなかったのではないかと思います。素性を知られたくないという人が多く、相談にも行けない場合がほとんど。そのニーズに応えようと始めたんです」。

では、具体的にどんな支援なのかというと、まずは気軽に相談できる「場」を作り始めたそうです。相談の「場」は、インターネットのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。顔をつきあわせなくて済むので抵抗が少ないそうです。そして、実際に仕事を経験できる場も設けました。仕事は主に空間デザインです。角間さんは空間デザインの仕事に携わっていた経験があり、いまも法人として企業などからの依頼に応えているそうです。この空間デザインに女性たちにも入ってもらい、経験を積んでもらっているそうです。また、他のNPOへのインターン斡旋などを通して、様々な業種や仕事を経験してもらい、次につなげようとしているそうです。

しかし、角間さんは就職がゴールとは考えていないと言います。
「いろんな理由はあるとは思いますが、風俗を辞めても戻ってくる人はざらです。だから、風俗以外の方法で経済的に自立が出来ている状態になってくれたらいいなと考えています。そのための濃度を上げるような機会を作ってあげたいっていうのが僕たちの活動の本質です」。

角間さんたちの活動は4年目に入ったところ。今後は就職を阻害する要因になりかねないネット上の顔写真の削除にも力を入れていくそうです。

参加した皆さんからは、「知らなかった事ばかりでとても興味深かった。問題解決がすっきりといかない複雑な事情もよく分かりました」、「ニーズに、自分たちのできることの強みを生かそうという取り組みが参考になった」などの感想が寄せられました。

日時
7月17日(木曜日) 18:30〜20:00
会場
渋谷区勤労福祉会館 2階 第一会議室
東京都渋谷区神南1-19-8[地図をみる
定員
80名 ※定員に達し次第締め切らせていただきます
参加費
無料
その他
  • お申し込みを受け付けた方には自動返信メールを送ります。それをもって受付完了とさせていただきます。
  • 登壇者に1時間程度お話をしていただいた後、30分程度、皆さまの意見・感想を交換できる時間を設ける予定です。
  • 会場内の撮影、録音はご遠慮ください。
主催
NHK厚生文化事業団